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「なにって、先輩の愛の蜜に決まってるじゃないですか。味見ですよ、味見」
「あ、味見?!」
「先輩はがっつり俺のを食ってくれましたけど、俺、まだ先輩を食わせてもらってないでしょう? だから、味見しとこうと思って」
けろっと言われて、奏は全身を真っ赤に染めてわなないた。
「なっ、おま…………、成留」
「なんです?」
キョトンとする成留の後頭部を掴み、おもいきり頭突きをくらわす。
「いっ……、てえっ!」
叫んだ成留を風呂場の外に放り出し、ピシャリと戸を閉めた奏は太いため息を吐いた。
「ったく。なにを考えてやがんだ」
文句を言いながら、成留の欲情がそこまで育っていることがうれしい奏は、ニヤニヤしながら体を洗い、湯船に浸かった。
閉め出された成留は浴室の水音を聞きながら、ふたたび指を舐めて奏の味を確かめる。
「次はぜったい、名前で呼ぶし突っ込むぞ!」
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