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 成留はキスを続けながら、寝間着の中に手を入れた。脇腹から撫で上げて、乳首に指をかける。ピクリとそこが震えて、成留は股間を硬くした。 「奏……」  呼び捨てながらキスを繰り返し、乳首をつまむ。つぶさないよう指の腹で擦れば、そこはすぐにツンと尖った。 「すごい、反応いいなぁ」  これで奏が起きていればと成留は思う。朝食のことなど、すっかり忘れていた。目覚めている状態で、こうして無防備に身をゆだねてほしい。いつも先輩は最終的な主導権を握ってしまう。それは俺が年下で、頼りないからだろうか。最後まで許してくれないのは、信用されていないからかもしれない。――こんなに、好きなのに。 「奏、奏」  ささやき続ける成留の息に、奏のガマンは限界に近づいていく。これ以上はヤバイ。声が出てしまう。訴えるように呼んでくる成留の声が切なくて、触れてくる指がやさしくて、奏の陰茎は熱く滾り、貫かれることを知っている奥が成留を求める。目を開けて成留の首に腕を回し、脚を開いて受け入れたい。――だが、ダメだ。成留は男と付き合ったことがない。もともとノンケの、しかもモテないわけではない奴だ。そんな相手を受け入れても、長続きはしない。次の女が見つかるまでの、つなぎにされるだけだ。 「ふっ、ん、ん」 「奏、ああ……」  シーツを握りしめ、奏は必死に想いに耐える。しかし体は本能のままに粟立っていく。このまま成留は寝込みを食ってしまうつもりなのか。それでもいい。そうなればいい。――意識がなかったことにすれば、知らないフリで日々を過ごせる。 「っあ」  尖った乳首に爪を立てられ、奏は思わず目を開けた。膝を立てて成留の腰をはさみ、彼の背中に腕を回す。 「……先輩」  成留のつぶやきに、奏は我に返った。成留がバツの悪そうな顔をしたので、奏は普段の自分を引き寄せる。 「なに、やってんだよ」
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