7/7
前へ
/65ページ
次へ
「でも、気持ちよかったんですよね、先輩」 「っ、あ」  力いっぱい股間を握られ、奏は甘い声を上げた。 「ほら、こんなに硬くしてる。ねえ、先輩。先輩のコレ、俺に責任持たせてくださいよ。ね? 風呂んときに味見をしただけじゃ、ぜんっぜん足りないんです。ねえ、先輩」 「うるせぇ……、んっ、揉むな」 「揉みますよ。揉みたいし、扱きたいし、なめまわしたいし、ほかにもいろいろしたいんです。先輩のこと、トロットロにしたいんですよ」 「んんっ、朝っぱらから……、やめろ」 「朝っぱらからっていうのなら、前に先輩、俺が出勤する前に、ヌいてくれたじゃないですか」 「あれは、おまえがグズるから」 「いまもグズッてますよ、先輩。ね? いいでしょう」 「っ…………、の、やめろっつってんだろォ!」 「ぐふぅッ!」  脇腹にエルボーを食らわせた奏は、成留の手がゆるんだスキに彼から逃れてトイレに走った。 「ふう……。ったく」  文句を言いながら、にやける顔を片手でおおう。 「俺を、トロットロにしてぇだと?」  俺だってされてぇよと思いながら、奏は便座に座って深呼吸をした。  エルボーを食らった成留は、脇腹を押さえてうめきながらニヤニヤしていた。 「先輩の声、かわいかったなぁ」  素直な肌の反応に、愛撫への自信を持った成留は目じりをとろかせる。 「あんなに硬くしておいて逃げるとか、ほんと恥ずかしがり屋だよなぁ」  自分を信用してくれていないのでは、というさきほどの考えはすっかり消えて、成留は強気を取り戻した。  本気の拒絶じゃない反応は、照れているとしか思えない。大胆にこちらを咥えるくせに、自分がされるのをイヤがるのは、乱れる姿を年下の自分にさらすのが恥ずかしいからだろう。 「大丈夫ですよ、先輩。そんな羞恥、うんと気持ちよくして忘れさせてみせますからね」  ヨロヨロと立ち上がった成留は、決意も新たに別のアプローチ方法を模索した。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

631人が本棚に入れています
本棚に追加