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「でも、気持ちよかったんですよね、先輩」
「っ、あ」
力いっぱい股間を握られ、奏は甘い声を上げた。
「ほら、こんなに硬くしてる。ねえ、先輩。先輩のコレ、俺に責任持たせてくださいよ。ね? 風呂んときに味見をしただけじゃ、ぜんっぜん足りないんです。ねえ、先輩」
「うるせぇ……、んっ、揉むな」
「揉みますよ。揉みたいし、扱きたいし、なめまわしたいし、ほかにもいろいろしたいんです。先輩のこと、トロットロにしたいんですよ」
「んんっ、朝っぱらから……、やめろ」
「朝っぱらからっていうのなら、前に先輩、俺が出勤する前に、ヌいてくれたじゃないですか」
「あれは、おまえがグズるから」
「いまもグズッてますよ、先輩。ね? いいでしょう」
「っ…………、の、やめろっつってんだろォ!」
「ぐふぅッ!」
脇腹にエルボーを食らわせた奏は、成留の手がゆるんだスキに彼から逃れてトイレに走った。
「ふう……。ったく」
文句を言いながら、にやける顔を片手でおおう。
「俺を、トロットロにしてぇだと?」
俺だってされてぇよと思いながら、奏は便座に座って深呼吸をした。
エルボーを食らった成留は、脇腹を押さえてうめきながらニヤニヤしていた。
「先輩の声、かわいかったなぁ」
素直な肌の反応に、愛撫への自信を持った成留は目じりをとろかせる。
「あんなに硬くしておいて逃げるとか、ほんと恥ずかしがり屋だよなぁ」
自分を信用してくれていないのでは、というさきほどの考えはすっかり消えて、成留は強気を取り戻した。
本気の拒絶じゃない反応は、照れているとしか思えない。大胆にこちらを咥えるくせに、自分がされるのをイヤがるのは、乱れる姿を年下の自分にさらすのが恥ずかしいからだろう。
「大丈夫ですよ、先輩。そんな羞恥、うんと気持ちよくして忘れさせてみせますからね」
ヨロヨロと立ち上がった成留は、決意も新たに別のアプローチ方法を模索した。
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