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「ど、どうしよう、出る」
「は?」
神崎の視線がちらりと陸の下半身に降りたものだから、慌てて身体を捻って隠す。
「そ、そっちじゃない。ーー鼻血」
「はぁ?」
神崎は呆れたような、困ったような顔をした。
「相変わらずお前は、一体なにで興奮して……、いや、違うな。今は興奮していいのか」
途中で納得すると、神崎は鼻を押さえる陸の手に口づけた。
「できれば、シーツを血の海にしないでくれよ」
「あ、あい」
手の甲に触れる神崎の唇の熱さに気を取られ、妙な返事をしてしまった。
「手、どけろ」
促されるまま、恐る恐る手のひらを口から離す。途端に落ちてきた唇は、初めは軽く触れるだけだった。何度か繰り返し、やがて深くなっていく。
「ぁ、ん」
神崎が、胸に顔を埋めた。突起を口に含まれると、下腹部がじん、と重くなる。こんなところで気持ちよくなる自分が恥ずかしくて、いたたまれない。
「せ、せんせ」
混乱のまま名前を呼ぶと、神崎の大きな手が足の間に伸びた。反応を示しはじめていたところを唐突に握られて、陸の肩はびくりと震えた。
「や、だ」
「そんなことないだろ」
ぐちゅ、と音がして、顔が燃えそうなほど赤くなる。たまらずに抱きつくと、神崎の手は今度は陸の後ろに伸びた。
「ーーっ」
初めてそんなところを触れられ、身体が硬直する。
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