27/37
前へ
/293ページ
次へ
「そんなこと言ったって……っ、やぁ」 ぐぐ、と腰を進められ、中が神崎でいっぱいになっていく。痛みはない。だけど圧迫感はすごくて、息がうまくできない。 はっ、はっ、と短い呼吸を繰り返しているとき、またあの感覚がした。 「あぁ、あ、や」 指よりもずっと大きなものに刺激され、さらに強い快感が身体を走り抜ける。陸は性に関してはわりと淡白な方だと思っていた。同年代の男子みたいに下ネタにも興味はないし、いわゆるAVだって見ない。自身で慰めることすらあまりしない陸にとって、神崎に与えられる快感は強すぎてただ翻弄されるしかなかった。 「あ、あぁ、もう、動かな、いで」 途切れ途切れに訴えながら神崎の胸板に置いた手は、ベッドに縫いつけられた。 「本当に?」 意地悪く問いかけられ、言葉に詰まる。身体は熱く疼いていて、いまさら引き返せないことは誰の目にも明らかだ。それでも陸から言葉を引きださせようとするあたり、タチが悪い。 「……やだ、やめないで」 泣きそうになりながら、神崎にギュッとしがみつく。 この瞬間を、ずっと待っていた。学校の生徒より、蓮より、誰よりも、神崎の傍にいられる瞬間を。今、神崎に一番近いのは間違いなく陸だ。陸だけの神崎で、誰にも渡したくない。 「好きです、先生」 「ん」 神崎の動きが徐々に激しくなる。奥を強く擦られると、声が制御できない。もう限界だと思ったとき、不意に、神崎の手のひらで口を塞がれた。 「悪い」 意味がわからず混乱する陸に、神崎は言った。 「あいつら起きたらやばいから」 「ーーあ」 海と蓮が隣の部屋にいることを思い出し、唐突に現実に帰る。
/293ページ

最初のコメントを投稿しよう!

699人が本棚に入れています
本棚に追加