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「そんなこと言ったって……っ、やぁ」
ぐぐ、と腰を進められ、中が神崎でいっぱいになっていく。痛みはない。だけど圧迫感はすごくて、息がうまくできない。
はっ、はっ、と短い呼吸を繰り返しているとき、またあの感覚がした。
「あぁ、あ、や」
指よりもずっと大きなものに刺激され、さらに強い快感が身体を走り抜ける。陸は性に関してはわりと淡白な方だと思っていた。同年代の男子みたいに下ネタにも興味はないし、いわゆるAVだって見ない。自身で慰めることすらあまりしない陸にとって、神崎に与えられる快感は強すぎてただ翻弄されるしかなかった。
「あ、あぁ、もう、動かな、いで」
途切れ途切れに訴えながら神崎の胸板に置いた手は、ベッドに縫いつけられた。
「本当に?」
意地悪く問いかけられ、言葉に詰まる。身体は熱く疼いていて、いまさら引き返せないことは誰の目にも明らかだ。それでも陸から言葉を引きださせようとするあたり、タチが悪い。
「……やだ、やめないで」
泣きそうになりながら、神崎にギュッとしがみつく。
この瞬間を、ずっと待っていた。学校の生徒より、蓮より、誰よりも、神崎の傍にいられる瞬間を。今、神崎に一番近いのは間違いなく陸だ。陸だけの神崎で、誰にも渡したくない。
「好きです、先生」
「ん」
神崎の動きが徐々に激しくなる。奥を強く擦られると、声が制御できない。もう限界だと思ったとき、不意に、神崎の手のひらで口を塞がれた。
「悪い」
意味がわからず混乱する陸に、神崎は言った。
「あいつら起きたらやばいから」
「ーーあ」
海と蓮が隣の部屋にいることを思い出し、唐突に現実に帰る。
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