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「あ、おはよう、父さん」
「おはよ~、りっくん」
眠そうに目を擦りながら、ぽわんとした笑みを浮かべ、父親である望巳(ノゾミ)が席に着く。
「わ~、美味しそうだねぇ」
「いつもと一緒だよ」
「いつも美味しいってことだよ」
にこにことした笑みで言われた言葉に、少し気恥ずかしを感じる。
「ねぇ?海ちゃん」
望巳に尋ねられた海は深く頷く。
「りっくんが作るのは全部おいしい」
一点の曇りもない純粋な瞳に見つめながら言われると、陸の気恥ずかしさも増すばかりだ。これ以上は耐えられそうにないので、陸はさっさと席に着くことにした。
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