【番外編】思い出風味、キャベツのお漬物

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「そっか、ジュエリーさん、店畳んでまうねんなあ……」 「寂しなるな。ハルちゃんは余計そう思うやろうに」 瑠美子さんが感慨深げに言い、ハルさんはゆっくりと頷いた。 訳を聞けば、ハルさんは幼少期、よくジュエリーに預けられていたのだとか。 本当の祖父母と孫のように長い時間を過ごしてきただけあって、きっと誰よりも思うところがあるのだろう。 「畳んでまう前に、何かしてあげれたらええねんけどなあ……」 ハルさんは泡のついたお皿を、ぼんやりと眺めながらそう呟いた。
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