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長い長い起動時間を抜けてようやく通常の画面に戻った。ユキは履歴からスルリとマリカの番号をタップした。
〈ツ・ツ・ツ・ツ・・・・〉
繋がらない。画面の上部を見ると電波は一本も立っていない。
「冗談でしょ!?」
思わず口にしてやっと周囲を見やった。どこまでも、どこまでも続く赤土の大地。
こんな場所知らない。
自分は古い校舎の中にいたんだ。
間違いない。
さっき思いっきり走ったから疲れたんだよ。
頭の中で自分を説得しながら、ユキの人生で初めて見る地平線を遠くに見つめた。
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