1. 鳥と空と太陽

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 長い長い起動時間を抜けてようやく通常の画面に戻った。ユキは履歴からスルリとマリカの番号をタップした。 〈ツ・ツ・ツ・ツ・・・・〉  繋がらない。画面の上部を見ると電波は一本も立っていない。 「冗談でしょ!?」  思わず口にしてやっと周囲を見やった。どこまでも、どこまでも続く赤土の大地。      こんな場所知らない。  自分は古い校舎の中にいたんだ。  間違いない。  さっき思いっきり走ったから疲れたんだよ。    頭の中で自分を説得しながら、ユキの人生で初めて見る地平線を遠くに見つめた。  
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