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ピィィィィィィィ
どこかで切り裂くような鳥の声がした。
「……」
なんだか無性に怖くなってきた。その場でしゃがみ込むと「早く夢から覚めて」とひたすらに念じ膝と腕の間に顔を埋めた。
ピィィィィィィィィ
また鳥の声がした。今度はさっきよりも近い。
こちらに飛んで来ているのだろうか。
それよりもふと何かに気付いた。
他にも何か音がする。
空気が揺れる。大地が微かに震えている気がした。音の震源を探るようにユキは顔をそろそろと上げ空気の震えている方向を見つめた。
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