1. 鳥と空と太陽

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   やっとその難関講義も終わり、ようやく平穏な週末を迎えられる――――  ヘトヘトになった頭を抱えながら、親友の真理香の家に向かっていた。  明日の土曜日はたまたま二人ともバイトが休みだったので、泊りがけで女子会をやる計画だった。    学校の近くのコンビニに着き、楽しい夜のお供になる、ジュースやら缶チューハイ、スナック菓子を買う段になり、ようやくそこで気づいたのだ。 〈医療基礎学〉が入ってない!  あんな分厚い本を、忘れた事に気がつかないなんて……。  道理でリュックが軽いとは思っていたが、心は1コマ早く自宅に帰った、真理香が作る得意料理や一晩を友人と過ごすわくわく感で、あまり深くは追及しなかったのだ。    
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