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一秒もない瞬間の光景が、目に焼き付いた。
世界がスローモーションになったみたいだった。
右手は岩にぶつかるインパクトの瞬間、光った。
短く爆ぜるような音と共に、亀裂が走り、岩は割れた。
岩が倒れ、地面が揺れ、低い音が響き、身体を震わせる。
振り抜いた右手の先に、道が開かれた。
「ちゃんと動いた」
隣に入谷が立っていた。今、聞き捨てならない言葉を言った気がするが、僕は狼狽し、「これは、なんなんだ!?」と声を荒げる。
「ブルースドライバー」
「一体、これはなんなんだよ?」
「私は預けられただけ。作ったのは私じゃないから、細かいことは説明できないけど」
「おいおい、岩を割らせておいて、詳しい話は聞かせてもらえないってのか?」
僕が口を尖らせると、入谷は大きく息を吐き出してから僕を見て、口を開いた。
「胸のそのパックには小型バッテリーとCPUが、肩口と肘上のところには独自開発の高トルクのビグマフモーターっていう反応性の良いモーターが組み込まれてるの。CPUが自動で計算して、あんたの腕のスイングに併せてモーターの力を乗せてインパクトを強めて、且つぶつかる瞬間のダメージを装着した腕が吸収してるってわけ」
入谷が何を言っているのかわからない。
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