第二章 ブルーベリーモンスター 

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「なぁ、教えてくれないか? どうして僕を誘ったんだ? この計画は入谷にとって重大なことだろ? 僕が秘密を漏らしたりする、とは考えないのか?」  よく、僕を信じようと思ったな? というシンプルな疑問だ。自分だったら、転校して来たばかりの人間を信じようなんて思わない。しかも、グラフィティという犯罪行為をしていた者だ。いや、だからこそ脅すことで懐柔できると踏んだのだろうか。 「私じゃブルースドライバーを動かせないから、パートナーが必要だったのよ」 「入谷は使えないのか」 「情けない話だけど、戦えるほど強くないし、身体が丈夫じゃないのよ」  僕の方が体力があるから、ということだろうか。クラスからリレーの選手を決める、時に足が早い人を優先して選ぶ、ということと同じかもしれない。 「あと、この町の人間は毒されてるから、他所から来た森須ならまだ大丈夫なんじゃないかって目を付けてたの。席替えも、ちょっと仕組ませてもらったわ」  入学して早々に席替えがあったのは、入谷が裏で動いたからなのか。どうやったのかも知りたいが、それよりもずっと気になることがある。 「毒されてる?」     
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