第二章 ブルーベリーモンスター 

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 高揚感も恐怖心も現実味も覚えてはいない。入谷の我侭に付き合い、様子を見る。僕に選択権はないし、彼女の言う通りに行動するほかない。入谷とコンビを組み、ヒーローを一発殴る。そこには僕の固い意志もないし、まだ明確なビジョンもない。  ルーズリーフのやり取りを終え、ぼんやりと窓の外を見ながら思う。今日は風が強く、雲がどんどん流れていく。それを見ながら、何かが動き出す予感だけは、強く感じていた。
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