第4章

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つつつと、生暖かいものが頬を伝う。 初め、それが涙だとわからなかった。 涙だと気づいた後も、何故自分が泣いているのかなんてもっと分からない。 ただ、涙が止まらない。 止まらない涙に止まりそうな思考の中、美龍空はようやく王子であるアッシュを好きだったと気付いた。 だが、もう遅い。 ようやく真実にたどり着いても、アッシュはもうここへは来ないのだという事実が美龍空に突きつけられる。 その日、美龍空は涙が止まらない涙と収まらない腹痛に一日悩まされることとなった。
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