第3章

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彼はいつも優しく美龍空を口説いている間も王子としての品格を崩さなかった。 それは、一国の王となるものとしてアッシュに染み付いているもので、自分は王子であるという責任のようなものと紙一重だった。 そのアッシュが、ただの研究員である美龍空相手に腹を立てている。 ただの人間のように、当たり前に。 そんな姿、今までに人に見せたことなどないし、見たこともない。 アッシュ自身も。 美龍空はアッシュをただの『アッシュ』にしてくれる貴重な存在だ。
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