第3章

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はじめはなぜそんな感情になるのか分からなかったが、それから何度もあの晴れ渡るような笑顔を思い出すことで、この感情が恋であると自覚した。 自覚してからは視察と言い張って何度か彼の研究室を遠くからながめた。 歳の近い従者にはストーカーだと言われもしたが、何を言われてもやめられなかった。 美龍空と初めて声を交わしたあの日、話しかけるつもりは全くなかった。 ただ、浮かない顔をした彼を見ていたら、頭の中にあの笑顔がうかんできて、気付いたら声をかけていた。 知り合ってしまえば、歯止めがきかなくなり毎日会いに行ってしまった。 そのせいで美龍空にはたくさんの負担がかかっている。 美龍空が怒らなかったとしても、それに対してアッシュがとやかく言う筋合いなどない。  原因である自分が…。
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