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「ううん、お父さんは自慢のお父さんだったよ。どこに行っても超有名人だった。それに大事なときは、試合休んでも来てくれた。わがまま言って、日本の高校にも通わせてくれた。私は幸せだったよ。」
「そうか、ありがとうな。明日からも幸せになるんだぞ。」
「お父さん…。ぐすん。」あらあら、泣き虫さんね。誰に似たんだか…。
「もう、泣かなくてもいいじゃん。今まで一緒にいなかったじゃん。それに明日からも暫くはこの家に住むんだし。お父さん達1ヶ月位は日本にいるんでしょ?」舞花が呆れる。岳斗君は実家の隣に新居を構えてくれた。本拠地は名古屋なので、三重に住んでくれるのだ。新居が完成するまで、この実家に二人共住むことになっている。俺は思いきって1ヶ月の休みをもらったから暫くは一緒に住めるのだ。
「ねぇ、これってお姉ちゃんのアルバム?」葉瑠花がどこからともなく見つけてきた分厚いアルバム数冊。一番古いピンクの冊子には「あやか」と古ぼけた文字で書かれているもの
「おっ、懐かしいなぁー。」
「ほんとね。昔のは何処にしまったのか分からなかったんだけど、ここにあったのね。」私は今日撮影した卒業式の写真をはさんだ真新しい「綾花」と書かれたアルバムを一緒においた。
「おねえちゃんのアルバム?見たい」小学校に入ったばかりの穂乃花が目をうるうるさせている。
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