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「えーっ、恥ずかしいよぉ。」テレテレしてるお姉ちゃん。
「葉瑠達はお姉ちゃんの小さい頃知らないもんね。」
舞花とは3歳しか違わないが、葉瑠花とは7歳、裕斗とは8歳、穂乃花とはひとまわりも違う。下の3人はドイツに来てから産まれたので、このアルバムを見たことがないのだ。
「あやめ、飲み物の準備を。」裕ちゃんに言われて、家族の分を用意する。ちなみに、裕ちゃんと私は一滴もアルコールを飲まない。どうやらアルコールは体に合わなかったのだ。
「よし、じゃあ最初のページだ。」
裕ちゃんが座ってページをめくる。裕ちゃんのお膝には葉瑠花と穂乃花。
「もう、葉瑠ったら、小学校5年生になるのに…。私はお父さんに甘えてないよ。」未だ父親ベッタリの三女に注意する。
「パパぁ。」甘える葉瑠。
「大丈夫。ママはじいちゃんにはあまえてなかったけど、友達だったパパに甘えていたから。」もう、娘に何言うのよ。
ニコニコしている葉瑠に何も言えなかった。
裕ちゃんが改めてページをめくる。
そこには制服姿の裕ちゃんと私が?
「あれ、これお姉ちゃんじゃないよね?制服が違う。」
「これは第一高校の制服。お母さんだよ。」
「えっー、お姉ちゃんそのものだ。」
「で、姉ちゃんは?」
「ここね。」といって私のお腹を指す綾花。
裕ちゃんが高校で、初めて全国大会優勝した冬の選手権の翌日に、私は妊娠3ヶ月と診断されたのだ。
その日のうちにプロポーズしてくれた裕ちゃん。家族3人で初ポーズだと撮った写真が一番始めであった。
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