記憶の彼方に。過去ルート、結婚前夜

綾花のアルバム

高校入学は私達と一緒に写っている。

ここからは、写真好きなお母様が綾花の写真を沢山残してくれていた。離れてすんでいる私達の為にってことで。

しかし、表情にやや影があるようだ。小学生の私そっくりだと裕ちゃんに言われた。うーん、ショック。

高校２年生の秋をさかえに、表情に明るさがもどる。

「岳斗と会ってからだよね？」

舞花につつかれる綾花。テレテレしている。

岳斗君は舞花の１年後輩で山口プロに入ってきた。

容姿端麗、歌も茜の再来と言われるほど上手く、高校時代はサッカーで鳴らした体力も一級品。あっという間にスーパースターに躍り出た。

舞花の夏のコンサートに来ていた綾花に岳斗君は一目惚れしたらしい。

舞花経由でM女学院文化祭で初ライブを行ったGAKUTO。舞花の希望でライブ幹事になった綾花にアタックして、文化祭終了後交際をはじめたらしいのだ。

「綾花の笑顔をとりもどしてくれたのね。ありがとう、岳斗君。」

「お母さんに言ってもらえる…。」途中で私の霧に潰される岳斗君。

だって、私と10歳しか違わないのに「お母さん？」って言ったよね？

裕ちゃんと綾花のアドバイスを受けて、息絶え絶えになりながら、「ごめんなさい、あやめさん。僕が間違っていました。」とお詫びをしてきたので、霧をしまってあげた。