生まれ持った加護

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「ん、とねぇ~後は普通に筋力強化でしょ~、あと五感強化、それと~、主婦の加護」  ・・・・・・まぁ、普通かな。剣聖の加護以外は対して驚くもんではないかな。五感の加護はレアのレアくらいか? ていうか、なんで主婦? 剣聖があるなら、主婦になることなんてないだろうに……しかし、翌々考えたら少し大変かもな。剣神の加護。普通に考えて絶対王国騎士団学校に連れてかれるでしょ。卒業した後は普通に宮廷の騎士とかになるんだろうな~。  「4つか。まあ、よかったんじゃねぇの?」  「うん、ありがとう!! それでハデスの方はどうだったの?」  笑顔で聞いてくるシャルに対して俺は目を背け「別に」と言って前を通過しようとした。がっ! それはシャルの手によって止められた。  「ねぇ、教えてよ。私が教えたんだからリュウだって教えるべきだと思うよ?」  額から汗が出る。気温が高いとかそういう訳では決してない。冷や汗なのだ。  言いたくない。幼馴染がこんな凄すぎる加護を出した後に、俺のこの意味が分からないショボすぎる加護を言えるわけがない。だから――  「どうして、人の事を聞いたら自分のことを話さなきゃいけない?」  振り向きながら言うと、シャルはその可愛らしい小さな顔についてる綺麗な頬を膨らませる。  「また、そういうこと言うんだから! じゃあ、リュウは人の名を聞いといて自分名のを言わないわけ?」  クソこの美少女め! 昔はそんな反論してこなかったくせに! いつの間にか口が達者になってやがる。  シャルのその言葉に俺はぐうの音も出ない。全くその通りだ。  「はぁ~。わぁったよ。村に着いたら教えやる」  きっと、このまま黙秘したらシャルは聞かなくなるだろう。だけど、それは俺が彼女を裏切ることになる。それはイヤだ。彼女にはいつも世話になってる。だから最低限のことはしてやりたい。  「うん、分かった♪ じゃあ、早く帰ろう!」  シャルが元気よく俺の腕を引っ張る。……きっとこの気持ちい腕の感触を味わえるのも残り少ないだろう。俺たちはあと1ヶ月もしないうちに学校に通うことになる。シャルは当然、国立の騎士団学校だろ。
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