生まれ持った加護

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俺はどうだろうか? おそらく地元にある小さな街立学校だろう。この世の中は加護で決まるのだ。  人間性なんてものは存在しない。仕事も恋愛も全てが加護で決まる。つまり、それはまともな加護が無ければ人生の終わりを意味しているのだ。俺はそんな世の中を変えたいと思ったが、今の現状を見れば出来そうにもない。  「引っ張るなって・・・」  幼馴染の加護は俺の依然に世界と比べて優れてる加護だ。俺はこれを祝ってやりたい。誇ってやりたい。だけど、それを邪魔する気持ちもある。それは・・・・・・・嫉妬だ。  こんな羨ましすぎる加護。・・・嫉妬しても仕方ない。だけど嫉妬してはいけない。だから俺は満面の笑みで彼女にこう言った。  「おめでとう」と。  剣聖の加護とは、簡単に言えば剣術が非常に優れているということだ。誰もが絶対的な力だと思い、それを羨み妬む。それが剣神の――いや、レア度の高い加護だ。 ―――――  「で、教えてよ!!」  村につくと早速シャルが目を輝かせながら言った。ここまで、来て何も言わないのだから少しは察して欲しいものだが、それは無理な話だ。昔から俺は良い事も悪い事も話さない秘密主義だった。基本的にシャルに隠していたことは良い事で悪いことは基本なかった。だからシャルはきっと今回も俺が良い加護だったから、話していないと思ってる。  「・・・・・・昼食とったらな」  俺は逃げた。  昼食後――  「で、教えてよ!」  「家事の手伝いが終わったらな」  逃げたのだ。  その後――  「で、教えてよ」  「夕食の手伝いが終わった後でな」  逃げ続けた。  その後――  「いい加減、教えてよ」  「夕食が終わった後でな」  「うん、分かった!」  彼女の笑顔を見ると心が痛くなるくらいまでに。  その夜・・・。  俺は家の屋根で寝転んでいた。本当ならシャルとの約束で村の広場まで行くことになってるのだが・・・どうしても行く気にはなれなかった。このままじゃ、いけないって事は分かってる。だけど、分かってる所で、体がその通りに動かない。  月明かりが綺麗で、また星も綺麗に見える。夜風が涼しく、周りは静寂に包まれている。既に約束の時間を大幅に過ぎている。村の人たちも静かに寝静まったこの時間。
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