4人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はどうしたらいいだろう――
「今夜は月が綺麗ですね」
ふと、声が聞こえ俺は慌てて状態を起こした。その声はよく聞き覚えがある声だった。
「シャル・・・!」
そこには寝巻き姿のシャルがいた。
「なんで――」
ここにいる。と聞こうとしたけど、俺にはその質問をする権利がないと思った。俺はこっちをマジマジと見つめているシャルから顔をそらした。どんな顔をすればいいか分からない。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
月明かりが綺麗ななか、沈黙と静寂が周りを包む。
「ねえ、」
その静寂を先に壊したのはシャルだった。
「なんで加護のこと言ってくれないの?」
続けて質問するシャルに俺はなんて答えようか迷った。加護が君より優れていないから。まともな加護なないから。君の幼馴染として加護が合わないから。
「……随分前に、リュウ言ってたよね。この世界の人の価値は加護で決まるって」
シャルは優しく俺に言う。
「でも、世界が、リュウがそうでも私は違うよ。もし、リュウが凄く、使い物にならない加護しか持っててなくても、私の態度は変わらないよ」
シャルその柔らかい手が俺の手を包む。
「ねぇ、覚えてる? 昔のこと」
語りかけるように言う。
「リュウと凄く喧嘩して、私が拗ねて1人で森に行った時のこと」
「・・・・・・」
「私、森でゴブリンに襲われたよね。その時、リュウが私を助けにきてくれたよね。お互いに絶交って啖呵きったあとなのに」
「・・・・・・」
「私、あの時とっても嬉しかったんだよ。リュウ、私をかばって命に関わる大怪我負ったじゃん。1歩間違えてたら、死んでたかもしれないのに、勇敢に果敢にゴブリンに立ち向かって私に「逃げろっ!」って言ってくれたよね」
最初のコメントを投稿しよう!