生まれ持った加護

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俺はどうしたらいいだろう――  「今夜は月が綺麗ですね」  ふと、声が聞こえ俺は慌てて状態を起こした。その声はよく聞き覚えがある声だった。  「シャル・・・!」  そこには寝巻き姿のシャルがいた。  「なんで――」  ここにいる。と聞こうとしたけど、俺にはその質問をする権利がないと思った。俺はこっちをマジマジと見つめているシャルから顔をそらした。どんな顔をすればいいか分からない。  「・・・・・・」  「・・・・・・」  月明かりが綺麗ななか、沈黙と静寂が周りを包む。  「ねえ、」  その静寂を先に壊したのはシャルだった。  「なんで加護のこと言ってくれないの?」  続けて質問するシャルに俺はなんて答えようか迷った。加護が君より優れていないから。まともな加護なないから。君の幼馴染として加護が合わないから。  「……随分前に、リュウ言ってたよね。この世界の人の価値は加護で決まるって」  シャルは優しく俺に言う。  「でも、世界が、リュウがそうでも私は違うよ。もし、リュウが凄く、使い物にならない加護しか持っててなくても、私の態度は変わらないよ」  シャルその柔らかい手が俺の手を包む。  「ねぇ、覚えてる? 昔のこと」  語りかけるように言う。  「リュウと凄く喧嘩して、私が拗ねて1人で森に行った時のこと」  「・・・・・・」  「私、森でゴブリンに襲われたよね。その時、リュウが私を助けにきてくれたよね。お互いに絶交って啖呵きったあとなのに」  「・・・・・・」  「私、あの時とっても嬉しかったんだよ。リュウ、私をかばって命に関わる大怪我負ったじゃん。1歩間違えてたら、死んでたかもしれないのに、勇敢に果敢にゴブリンに立ち向かって私に「逃げろっ!」って言ってくれたよね」
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