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Tシャツにジーパン、スニーカー姿の龍介の姿は、このファンタジーな中世な感じの集団からは奇異に見えた。
しかも、なんだ? ぐっすり眠りながら、空から降りて来た、だって? いったいどういうことだ?
龍介はパニック不可避だった。
「まあ、いい。ひったてろ」
両腕をつかまれて、連行されようとする。龍介はもう真っ青だ。
(オレはどうなってしまうんだ~?)
Jリーガーになる夢破れながらも、地域リーグから再起を懸けて頑張っていた。そんな日々から突然吹っ飛ばされて、異世界とでも言おうか、違う世界にいる。
夢なら覚めてほしいと思うが、どうも夢ではなさそうだ。
「これ」
という声がする。
その声の主は、怪しげにくねる木の杖を手にしてグレーのマントフードを羽織っている初老の男だった。
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