第一章 異世界に呼ばれて

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 見た目は簡素だが大きさは一軒家と同じくらい、サーカスのテントって感じだった。が、中に入って龍介は身を引き締めた。  幕舎の中は太陽の光が入らないため、燭台のランプで中を灯しているが。それがまたやけに明るい。  ガルドネ曰く、 「魔力によりひときわ明るい火を灯すことができる」  とのことで、 「すげーうちのシーリングライトより明るいかも」  などととぼけたことをつぶやく。  ともあれ、ランプの火は中をよく灯して明るい。  そしてやはりここはサーカスのテントかと言いたくなるというか、鎧姿の武人にマントフードの魔導士などが左右に数人立ち並んでいる様は、まさにファンタジーでサーカスの催し物がおこなわれると言われても疑わないだろう。  その向こうに、簡素ながら造りのよさそうな椅子に腰かけた人物がいるが。  いずれも目つき鋭く、まるで「魁!男児塾」という漫画の中に放り込まれたような緊張感を禁じ得なかった。  頭には何かヘアバンドをしているように見えたが、それは葉のついた木の枝を丸めて頭に載せているものだった。  月桂樹の枝で作った月桂冠のようだ。  マントのついた鎧を身にまとっている。その少し後ろには召使いか小姓の少年が数名立って控えている。さらにその後ろ、素人目に見ても豪奢なこしらえの剣を持つ男がいる。これもうやうやしそうにたたずんでいる。  ガルドネに導かれて、その椅子の前まで来ると、肩をつかまれて一緒に跪かされる。
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