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見た目は簡素だが大きさは一軒家と同じくらい、サーカスのテントって感じだった。が、中に入って龍介は身を引き締めた。
幕舎の中は太陽の光が入らないため、燭台のランプで中を灯しているが。それがまたやけに明るい。
ガルドネ曰く、
「魔力によりひときわ明るい火を灯すことができる」
とのことで、
「すげーうちのシーリングライトより明るいかも」
などととぼけたことをつぶやく。
ともあれ、ランプの火は中をよく灯して明るい。
そしてやはりここはサーカスのテントかと言いたくなるというか、鎧姿の武人にマントフードの魔導士などが左右に数人立ち並んでいる様は、まさにファンタジーでサーカスの催し物がおこなわれると言われても疑わないだろう。
その向こうに、簡素ながら造りのよさそうな椅子に腰かけた人物がいるが。
いずれも目つき鋭く、まるで「魁!男児塾」という漫画の中に放り込まれたような緊張感を禁じ得なかった。
頭には何かヘアバンドをしているように見えたが、それは葉のついた木の枝を丸めて頭に載せているものだった。
月桂樹の枝で作った月桂冠のようだ。
マントのついた鎧を身にまとっている。その少し後ろには召使いか小姓の少年が数名立って控えている。さらにその後ろ、素人目に見ても豪奢なこしらえの剣を持つ男がいる。これもうやうやしそうにたたずんでいる。
ガルドネに導かれて、その椅子の前まで来ると、肩をつかまれて一緒に跪かされる。
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