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決められた赤のユニフォームのライバルチームは土壇場で敗れた悔しさとショックから、がっくりと崩れ落ち悔しさを噛みしめる。
0-0のまま試合は進み、このままだと引き分けかと思われたが、龍介たちの必死さが勝った。
最後、整列して、審判の笛の音を合図に観客に一礼をして挨拶し。相手選手や審判と握手すると、相手のチームのベンチまで行き。
「ありがとうございました」
と、皆で礼をする。
それから、ベンチまで行き、
「皆さんの応援のおかげで今日の試合勝てました、ありがとうございまーす! 次も勝てるように、頑張りますッ!」
「おう、次も頼むぜ!」
「オレたちをJリーグにつれてってくれよ!」
と、サポーターと勝利の喜びを分かち合い、ハイタッチをかわす。
この地域リーグで優勝すれば、全国リーグのJFLへの昇格を懸けた全国地域チャンピオンズリーグへの参加権が得られる。
JFLの上は、Jリーグだ。
サッカーはアマチュアの下部カテゴリーからプロのJリーグへの昇格がある。もっとも、上から下への降格もあるが……。
ともあれ、Jリーグへの道は茨の道だが、龍介たちは夢のために必死に試合をこなしていた。
源田龍介。東京都出身。
今年高校を卒業し、初夏に19歳になったばかり。
Jリーガーを目指し幼いころからサッカーに励んでいた。名門高校に入学し練習に試合に励んだが、夢叶わず……。
しかしあきらめきれず、Jリーグ昇格を目指す地域リーグクラブのトライアウト(入団試験)を受けてこれに合格。
東京から地方に引っ越し、チームのメンバーとして、同じ夢を抱く仲間たちと切磋琢磨していた。
ちなみにプロのJリーグを目指すとはいえ現在のクラブは実質地域のアマチュアクラブ。よって、選手たちは午前に練習をした後、午後から仕事にも励んでいた。
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