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「おはよう、ハツカネズミ君」  いつもの夜勤終わりの朝だった。体力も精神力もすっかり抜け切った俺は、ボンヤリする視界の中、さまようように進みながらバス停へ向かう。  疲労もピークに達していよいよ幻聴まで聞こえてきたか、そう思っていたが。いつの間にか、俺の前に太陽を背にしてひとりの背の高い男が立っていた。ソフトクリームのように頭の先が奇妙に曲がった形のとんがり帽をかぶるその男は、長短2本の笛を両手で構えている。  ん?笛? 「お前、いつも屋上に立ってた…?」
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