食べ物

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 俺は食べ物をつくる仕事をしている。  レストランのコック見習いではない。食堂の調理場でもない。ましてや寿司職人でもない。  俺がつくっているのは、人が食べたいときに、24時間いつでも買って食べられる食べ物だ。働いてるのは、食べ物をつくる工場。  朝から晩までつくる日もあれば、皆が寝静まるころから日が昇る時間までつくる日もあった。  家から電車に乗り、駅に着いたら更にバスに乗って20分、そこに工場はあった。  工場の周りには、また違うものをつくる工場、だだっ広い倉庫、トラックのたくさん止まる停車場、何が建つのか見当もつかない工事現場などがひしめく、いわゆる工場街だった。
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