誰でも気軽に簡単になんて、絶対ウソだ!

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 まさかと思ってアイコンをタップして、プロフィールや画像を確認して、彼だと確信して。  それからずっと、フォローをするかどうかで悩んでいる。  気持ちとしては、フォローしたい。積極的に彼の情報を集めたいわけじゃなく、なにげなく彼のことを知ることができたらいいなってかんじで。  だけど、知らない相手にフォローされたら、誰だこれって気になるだろう。そして私だとわかって、よく見てくる気持ち悪いやつだと思われたら。それでブロックなんてされたら、もう学校に行けなくなる。――恥ずかしくて。  そんなかんじで、私はずっとモダモダしている。まったくもって情けない。バカバカしい。くだらない。意味が分からない。  これがもし彼じゃなかったら、ふうんって感じで気軽にタップできただろう。友達とつながっている、元クラスメイトってだけなら――気にもならずに、スルーしているかも。  まあ、いまはどっちだっていい。  それよりも、彼をフォローしたいのに、ものすごくしたいのに、その後の反応が怖くてできない現状が大問題だ。  私、このままベッドでもだえ続けるのかな。お風呂だよって呼ばれて離れはするだろうけど、気になって眠れなくって、押すかどうか悩んだまま朝を迎えて、寝不足のボーッとした顔で学校に行って、そして彼にそんな顔を見られたら――。  ものすごく、イヤだ! 「あ」  思わず握りしめてしまったスマートフォンの、フォローと書かれている部分に親指が当たっている。  音を立てて血の気が引く、というものを体験した。  まさしく、言葉通りの状態だ。  って。そんなことより!
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