誰でも気軽に簡単になんて、絶対ウソだ!

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「あーあ」  声に出してスマートフォンを乱暴に掴み、ベッドに倒れる。  さっきテレビに映っていた、ふくれっ面のアイドル。あの子とおなじグループの、丸顔で背の低い、女の私でも守ってあげたくなるような、ちょっと天然の入った元気いっぱいな子のファンなのだ。  なにもかも平均値で、元気いっぱいどころか無気力よりな私とは違いすぎる。  ちょっとだけ落ち込んで、だけど好きになってもらいたいわけじゃないと否定して。  まあでも、いいヤツってくらいには思われたい。  そのためには、私がいるって知られたい。  というか、それ以前にもっと彼のことが知りたいなんて、やっぱり私、ストーカー予備軍なんだろうか。  なんて考えてしまったから、気軽にフォローの文字をタップできなくなってしまったのだ。  私、めんどくさい。  ほんと、めんどくさい。  めんどくさい上に気持ち悪い。ストーカー気質とか、救いようがない。  もう、消えてしまいたい。  でも、彼のことを知りたい。  私のことを知ってもらいたい。  そのための第一歩として、フォローボタンをタップするのだ。  がんばれ、私!
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