第6章 : そしてボクラは共に笑った

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 やっぱり夏の階段下りとかが一番楽しいと思う、と熱心に言ってみる。  遠山が「テンションの問題……?」とわりとマトモに突っ込み、成島はにこにこと「神様もあっち来たりこっち来たり、忙しいんだねぇ」とメノウ様に語りかける。  仁羽は「そういう考え方してるやつが教室抜け出すんだよな……」とごちる。朝のことを思い出して、不機嫌メーターが動いたらしい。眉間にしわが寄っている。 「……いや、あいつらも悪気はないんだし……?」  単に祭りに参加したかっただけなんだし、別に仁羽にイヤガラセしたわけじゃないよ、と声をかけた。結果としてに仁羽的に恐怖体験目白押しだったけど。  仁羽はぶっきらぼうに「わかってるよ」と答える。 「悪気あったら、やり返すの新学期まで待つわけねえだろ」 「……」  許すという選択肢はないらしい。新学期になったら一体何をやるつもりなんだろうな、と思って心の中で合掌。  学校からだと音すら聞こえないからって、脱走した結果がコレだ。先生に叱られる云々は考えてただろうけど、まさか仁羽の復讐者リストに入るとは予想外だろう。ご愁傷様です。 「それじゃあ、帰りのお神輿の時にも行ったのかなぁ?」     
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