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連絡も出来ずこんなに遅くなってしまった。本気で怒られるに決まっているし、どうなってしまうかわからない。迷惑をかけるつもりなんてなかったのに。ぎゅっと拳を握る。
「こんなに帰るの遅くなったら怒られちゃうかなぁ」
ふと思い出した、といった感じで成島が言った。それは俺が思っていることと同じはずだったけど、声はやわらかい。
反射的に見れば、成島は困ったような顔をしつつ、それでもおだやかに笑っていた。握りしめていた手から力が抜ける。
近い未来にやって来る説教のことを考えて、俺はとても笑えないのに、成島はこんな時でも笑顔だ。それを見ていたら、するりと言葉が出た。
「メノウ様は?」
「あんまり効果はないかなぁ」
思わず尋ねたら、残念そうに成島が答えた。どうやら安全に効果はあっても、家庭内の問題には不介入らしい。管轄外なんだよねぇ、と言う成島を見つめつつ、大きく息を吐く。
うん、何かもう。メノウ様にだってどうにも出来ないなら、たぶんどうにもならない。
「嫌になっちゃうなぁ。せっかくの夏休みなのに怒られるなんてさー」
ね、と胸ポケットからちょこん、とのぞくメノウ様に成島が語りかけた。心から同意するとともに、俺も口を開く
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