第6章 : そしてボクラは共に笑った

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 それに、真っ直ぐ見てみると月の光は思っていたより明るかった。もっと控え目で、抑えてそうな感じがしてたのに。  太陽に比べればそうでもないけど、光は強い。結構明るいんだな、とつぶやくと、成島が答えた。 「……でも意外と小さいよねぇ? 絵描く時って、もっとさー、大きくない?」  成島も俺と同じように月へ目を向けて、あれじゃあメノウ様と行けないねぇ、と胸元のうさぎに言っている。 「地球の四分の一あるんだぞ。充分じゃねえか」  置いてきたら広くて喜ぶんじゃねえの、とか言うので、成島が「メノウ様ひとりきりに出来るわけないでしょ」と唇を尖らせた。すかさず遠山が口を挟む。 「大丈夫……月には兎がたくさんいて、おもち作ってるから……」  ものすごく真面目な顔でそんなことを言っている。垣間見える遠山のファンシーな一面? と思っていたら、真剣な顔で続ける。 「でも……月に労働基準法はないからね……。日夜厳しい労働を課されているんだよ……」  成島は、「そうなの? じゃあよけいメノウ様つれていけないね!」と叫び、俺と仁羽は黙り込んだ。 「……なぁ、仁羽」 「……何だよ」 「アレは『かわいらしい話だね』って片付けるべきかな」
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