第1章 : 寄せ集めのボクラ

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 遠山も無言でうなずいているし、同じ考えに行き着いたのかもしれない。けれど、仁羽だけが「はあ!? 何だそれ」と素っ頓狂な声をあげた。鋭い目で聞かれる。 「……聞いてねえぞそれ。いつ言ってた?」 「あー……。……今日の朝。出席取ったあと」  だよな、と目で確認すると二人がうなずいた。仁羽は俺の返答に数秒考え込んでいたけれど、ぽつりとつぶやく。 「……騒ぎのあとか……?」  言われて今朝の風景を思い出す。  明日から夏休みというわけで、ちょっと教室は浮き足立っていた。それは毎年のことだけど、今年はより浮かれまくったのが数人出没していた。  そいつらは、「教室にいたんじゃ、祭りに参加出来ない!」「せめて音だけでも祭りの雰囲気を味わいたい!」と言って教室を脱走。  校舎内じゃ神輿のパレードさえ聞こえないから、神輿の通る国道まで行こうとして捕まる、という騒ぎが起きていた。  うちの学年だったから先生たちみんないなくなった。で、帰ってきてから朝の連絡事項で言ってたから……。 「あーそうそう、あの騒ぎのあとだ」 「っつーことは俺が資料取りに行ってる時じゃねえか!」  仁羽が吠えた。     
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