第1章 : 寄せ集めのボクラ

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 懐中電灯を手に入れたのが嬉しいのか、成島が振り回して遊んでいる。電池が減る! と仁羽が叱って取り上げようとするけど、成島は構わない。それを見ていたら、遠山がきょろきょろし始めたのに気づいた。 「何、どーしたの。遠山」  また何かを発見したのかもしれない、と聞くと成島と仁羽も気がついたらしい。いつの間にか始まっていた、鞄による攻防戦を取り止めると遠山を見る。  相変わらず眠そうな顔のまま、遠山は俺の質問に答えた。 「うん……。準備室の扉って、中から鍵開けられるんだよね……」  瞬間。  準備室から廊下へ通じる扉を見る。成島が照らしたドアノブには、見慣れた鍵のつまみがついていた。  それから振り返り、遠山を見る。寝惚けた顔をしている遠山に向かって、俺たち三人は声をそろえて叫んだ。 「それを早く言え!!」
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