第2章 : 暗闇と秘密の行進

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 最上階の四階には、図書室以外にも音楽室とかそれぞれの準備室とか、生徒会室とかの特別教室が多い。  そういう特別教室の前にある廊下は、どういうわけか窓は小さいし、音楽準備室なんてトイレの前にあるもんだから、窓すらない。すっかり暗くなった今、懐中電灯は手放せない。 「ところでさ、俺たちは一体どこに向かってんの?」  とりあえず図書室からは出られたので移動してるけど、向かう先がわからない。職員室の前に公衆電話はあるけど故障中だし。学校からはどうやって出るんだろう。疑問を口にすると、成島と遠山が答える。 「……一階まで下りてから考えればいいんじゃない?」 「鍵かけ忘れてるかもしれないし、中から開くかもしれないし……」  案でもあるのかと思ったら、ものすごく運任せだった。    みんながきっちり仕事してたらどうすればいいんだろう、と考えていたら、成島が軽やかに「いざって時は、んー……ロッククライミング?」ととんでもないことを言ってのける。無理だ。 「窓開けてー、壁伝って下りるの。そうすれば出られるよ」 「無理無理! 素人がそういうことやったら駄目だから成島! 死ぬよ、人が死ぬ!」  素人っていうか俺が死ぬ。窓から下りるなんて、たとえ二階からだって嫌だ。怖すぎる。そんなことするくらいなら学校で一晩明かす。     
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