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「おんなじだなぁって思って、安心したよ」
だからつい、笑ってしまったのだ。一人じゃないんだって思って。仁羽も同じだって思って。まるで許されたみたいで、ついつい気がゆるんで思わずほほ笑んでしまったのだ。
「でも、仁羽は嫌だったよな。ごめん」
気分を害したのは事実だろうから謝った。仁羽は眉を寄せたまま何とも言えない顔をしているので、へらり、と笑って言葉を続けた。軽い調子で、深刻さを吹き飛ばすように。
「でも、怖がりくらい平気だって。俺にだって怖いものはあるし、恥ずかしいことじゃないよ。むしろ親近感わくし」
俺の言葉に仁羽は何かを言おうとしたらしい。だけど、それより早く成島が口を開く。
「なるほど、それは僕も同感かもー。仁羽って人間味薄いもんねぇ。それくらいないと、サイボーグみたいだもんね!」
さわやかに笑ってるけど言っていることはひどい。さらに、いつの間にか眠そうな顔に戻った遠山まで「怖がりくらい、あった方が丁度いいんじゃない……」とつぶやいた。むしろ、それだけじゃ足りないくらいだよね……とも言う。
「……でも、そうすると夜の学校なんてすごく嫌だよねぇ。電気もつかないし……」
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