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苦々しげに仁羽がつぶやくけど、一応やれることはやっておこう、ということで廊下の一番奥、体育館につながる外廊下の入口まで行ってみることにした。教室の鍵も確認しながら。
通用口から光が入るとは言っても、一階の窓は小さいし上の方にあるので、全体的にぐっと暗くなる。
沈黙ももはや気にならないのでそのままにしていたけど、しばらく経ってからふとそれぞれの顔を見渡した。
遠山は相変わらず眠そうだし、成島もいつも通り何だかにこにこしている。仁羽の顔は完全にこわばっていた。
「おー、懐かしいよなー。一年の教室」
ちょうど一年の教室の前だったので、出来るだけ明るい声で言った。教室の鍵も確かめてみるけど予想通り開かなかった。
うちの学校は一年生が一階で、学年が上がるにつれて教室も上がっていく仕組みになっている。去年まではここの教室を使っていたわけで、懐かしいのは嘘じゃない。
「下駄箱近くていいよなって思ったけど、さすがに一年じゃあんまり遅刻しないよな」
むしろ、段々だれてくる三年の方が遅刻率は高いわけで、なのに一番下駄箱から遠いとか嫌がらせだと思う。
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