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知らなかったのか、と言おうと思ったら仁羽も意外そうな顔をしていた。お前もか。へえー知らなかったー、とのんびり成島が言うと、うん、俺も……と遠山がつぶやいた。
「園田が知ってるとは、思わなかった……」
しみじみした言葉に、複雑な気分に駆られる。クラスメイトの名前くらい知ってて当然なのに、どうしてそんなに意外そうなんだろう……。
「ねー、仁羽も驚いたでしょー、静だって」
「まぁ、ぴったりだよな。お前、しゃべらないし。園田もよく知ってたな」
「いや……当たり前だと思うけど……」
いっそ感心しているような顔で仁羽は言うけど、俺にとっては何の不思議もない当然のことだった。だからそう言ったのに、俺以外の三人には本気で驚かれた。
しかも、仁羽が「俺はクラスメイトのフルネームなんて知らねえ」と言いきると、他の二人も同意している。
他人に関心がないのは知ってたけど、小さい頃から一緒っでヤツらがほとんどで、どうしてフルネームを一人も知らないでいられるんだ……。謎すぎる。だけど、三人にとっては俺の方が謎らしい。
「じゃあさー、園田ってクラスの人間のフルネーム大体言えるんだ」
「大体っていうか全員……」
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