第1章 : 寄せ集めのボクラ

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 つい現実逃避したけど、強い声に我に返る。  刺々しく吐き捨てたのは仁羽だ。それはもう険しい目つきで、悪態を吐いている。まあまあ、と声をかけようとしたら、別の声が答えた。 「……気づかないよ……」  ぼんやりとしたまなざしを浮かべた、遠山だった。  眠そうな顔で「あの人、基本的に雑だから……人閉じ込めるの、これが初めてじゃないし……」とつぶやく。  え、それまさか。恐る恐る質問を投げる。 「……遠山、閉じ込められたの初めてじゃない……?」 「……今年に入って三回目だね……」 「まだ七月なのにすでに三回目か! 多すぎるだろ!」  薄々思ってたけど、あの用務員めちゃくちゃ大雑把すぎる。  豪快で小さいことは気にしない人だとは思ってたけど、せめてそれくらいは気にしてほしい。  どうするんだこの状況、と頭を抱えたくなっていると、「どうしてくれやがるんだよあの担任」という低い声が響いた。  全ての元凶は担任にあり、という顔の仁羽だった。 「こうなったのも、居残りを命じたからだろ。二択って形は取ってたが、あんなもんほぼ一択だろうが」 「夏休みなしか残って書くかなんて、居残るしかないよねぇ。せんせーだから絶対やらせるし」     
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