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「いま、なんて言った?」
明日美がキョトンとして言った。
まあそうなるだろうな。
だからもう一度言ってやる。
「いやだけんさ、俺の彼女になってくれんか……っていうか、フリけどな」
『なーんだ、フリか』
なんてちょっとガッカリしたような、ホッとしたような返事がくるかと思ったのに。
「彼女……彼女?……私が、友也の……?」
おい、明日美。
一番重要な言葉が耳に入ってないな。
『フリ』って言葉が。
かなりパニくってるのを黙って見てるのも面白そうだけど、話が進まないから、軌道修正するべく明日美を連れ戻す。
「おい、おい、明日美!ちゃんと俺の話聞いとったか?一人でトリップすんなよ」
やっぱり『フリ』は聞いてなかったな。
話が唐突すぎると説明を求められたから、田代先輩と青柳さんの話を聞かせてやる。
俺と明日美が付き合ってることにすれば、青柳さんも安心して先輩の彼女になってくれるんじゃないかと。
明日美は俺の説明を聞いてある程度納得してくれたようだ。
ただ、どうしても『フリ』っていうのが引っ掛かっているようだけど。
ごめんな明日美……『フリ』で。
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