プロローグ

2/4
前へ
/216ページ
次へ
「じゃ、ちょっと行ってくるね。待っとって」 佐世保に出張するという明日美を車で駅まで送ろうとして、何故か駅向かいのコンビニ"イレブン"に寄ることになった。 ここの"イレブン"はいつ来てもお客さんが多く、三台しか停められない駐車場はほぼ埋まっている。 仕方ないからちょっと離れた場所に路駐して待つことにした。 "イレブン"の方へ歩いていく明日美の姿が見えなくなって、ふと嫌な予感がよぎった。 …………まさかな?そんな訳ないよな、明日美。 しかし、悪い予感というものは当たる事の方が多い。 居ても立ってもいられず、ちょっと強引に車をUターンさせ、さっき通り過ぎた"イレブン"の方に向かう。 店内に明日美の姿は……ない。 俺をこの場に置き去りにし、ひとり歩いて駅に向かったのだろう。 こうなったら一刻を争う。 急いで駅の構内に移動し、車を駐車場に停めて先回りするしかない。 明日美、俺に嘘ついたまま行ってしまうつもりか? 福岡に行くことを告げずに?
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

350人が本棚に入れています
本棚に追加