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「友也、友也ってば!ねえさっきから黙ったままで。ど、どうかな今日の私。ちょっとは成人らしくなったかな」 明日美に声をかけられてハッとした。 いかんいかん、今のは挙動不審ってやつだろ。 俺としたことが……。 気を取り直して明日美の傍まで歩み寄った。 「今日の明日美いつもより……綺麗か」 耳元で囁いてやると、明日美の透き通るほどに白い肌がほんのり赤く色づいた。 席に着いてからは、俺の目の前に座っている明日美の後ろ姿を思う存分に眺め尽くす。 座っているから着物姿はよく見えないけど、アップにまとめた髪や、うなじのラインに目を奪われる。 触れたい、今すぐに……。 「えー!絶対嘘やろー!『早よう二人きりでいちゃつきたか』って言うたとやろ?」 隣に座っている山本が明日美に囁いているが、内緒話のつもりか? 俺に聞こえていないと思ったら大間違いだ。 『いちゃつきたか』とは言ってないが、そう思ってるのは確かだ。 でもきっと俺だけじゃないぞ。 良彦も涼介も頭の中は妄想だらけに違いない。 「まっまさか!そがん訳なかやろ!」 慌てて否定する明日美が俺の悪戯心に火をつける。
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