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早く立派な社会人になって、明日美のことを幸せにしてやりたい。 いつか、きっと。 南海高校では、勉強だけでなく部活にも打ち込んでいた。 中学から始めた軟式テニス。 中学で頑張って良い成績を残してきたから、テニス特待生として南海に通えることになったんだし。 高校では先輩とペアを組むことになり、中学とはまた違った楽しさがあった。 「御子柴、お前さぁー本当にあの『生田さん』とは友達なんか?」 「ただの友達っていうか、親友ですけど」 この前の新人戦で応援に来てくれてた明日美のことを、俺とペアを組んでる田代先輩が気に入ったらしい。 「じゃあさ、今度俺に紹介してくれん?可愛かったし俺のタイプなんだよなー。頼むよ!」 参ったな……。 先輩だし断りづらいけど、紹介なんてできるか。 「紹介っていうのはちょっと……。でもまた試合観に来てくれるかもしれませんよ」 新人戦では同学年で組んだペアだったからか、初戦で負けてしまった。 次の試合はまた田代先輩と組むだろうから、簡単には負けたりしない。 明日美は友達を連れて来たがってたし、これは上手くやればいい方向に転がるかも。
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