紅色の千日紅

ヒマワリ

「噂をすれば影がさす、ってやつですねえ高倉氏」

私のことを散々小馬鹿にした高倉に、まるで仕返しをする小学生のように、横目で見ながら鼻で笑ってやる。

正門への道のりを、凛とした姿勢で歩いて行く黒髪ロングの女子生徒。
こんなに遠目からでも、美しく麗しい人だと分かる。

初めて彼女と廊下ですれ違った時、吃驚し過ぎて心臓が止まるかと思ったことを覚えている。

透明感のある色白な小顔、すらっとした華奢な体から醸し出される色気。

学校一美人だと評されているが、あまりにも鈍感過ぎるのか、自覚のない恐ろしい人。
特別派手なタイプではないのだが、言うなれば大和撫子のような、清楚でお淑やかな品のある人。

彼女こそが、私の好きな先輩の、好きな人。