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一瞬で気まずい雰囲気だと悟った俺は、なかった事にしようと急いで家の中に入ろうとしたが気が動転してしまって自分の自転車にひっかかってしまった。
それと同時に、電話を切って深くため息をついた拓未と目が合ってしまった。
拓未も拓未で俺が気まずさを感じているのを察知したのか、苦笑いしながら声をかけてきた。
「話、聞いてた?」
拓未が俺の方に近付きながら、家との間のフェンスに寄りかかった。
「ん、最後だけ。」
嘘をついたりごまかしても仕方ないと思い、正直に伝える。
確か拓未は高校の部活の後輩と付き合っていたはずだった。
拓未は母さんが外国人だからか、くっきりとした目鼻立ちで爽やかな印象だし、髪型なんかにも気を使っているので普通からしたらイケメンの部類に入ると思う。
中学校までは俺と洋人とばかりつるんでいたけど、高校に入って周りの環境が変化した途端、拓未の周りには女の子が近寄るようになって、多分彼女が途切れる事はなかったはずだ。
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