【パロディ】診察室にて

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「大きく息をしましょう」 私の小さな胸が膨らみ始めた辺りを、いくつかペタリと聴診器が撫で、入ってきたときと同じように、呆気なくブラウスから出て行った。 私があまりに嫌がるからか、それ以上は見せろと言わなかった。 背中も、ごく軽く診られただけだ。 服を脱げと言われなくて、心底ホッとした。 気を抜いて前に向き直ると、先生がまだすぐ傍にいてギョッとする。 「瞼の裏を見ますね。上を向いて」 先生の大きな手のひらが、私の顔を横から包むように覆う。 おとなしく上を向くと、下の瞼をペロンと捲られた。
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