5人が本棚に入れています
本棚に追加
ルイーダは――というより、ルイーダを操るプレーヤーである飯田瑠衣は、俺をこのゲームに誘った張本人であり、俺の幼馴染みだ。
家が近く、同い年で、互いにゲーム好きだったこともあり、小さい頃はよく互いの家を行き来して遊んでいた仲だった。
高校進学で違う学校に通いだしてからは、会うことも連絡をとることもなかった。
俺は都内の大学を卒業し、そのまま都内の会社に就職した。
そして、つい3か月前のことだ。
隣の部署に、産休を取得した社員の穴埋めで派遣社員が入ってきた。
大人っぽく化粧をした顔ではすぐには分からず、ぶっちゃけて言えば一瞬見惚れたが、見覚えのある名前、見覚えのある癖毛を見てすぐ思い出した。
飯田瑠衣。
なお、ゲーム内のキャラクター名「ルイーダ」の由来については、俺のキャラより単純明快だ。
飯田瑠衣をひっくり返して、瑠衣・飯田。
片仮名にしてルイイイダ。
「…イが一個多いじゃねぇか。」
「うるさいなぁっ!」
誤魔化すために肩をばしっと叩いてくる、その手の早さは相変わらずで閉口したが、変わらないその態度に正直なところ、俺は嬉しさを感じていた。
最初のコメントを投稿しよう!