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「あーあ。課金、してぇなぁ…。」
夕飯がわりに食したカップラーメンの殻が乗ったテーブルに右手で頬杖をつき、俺は独り呟いていた。
左手にはスマホを持ち、親指でコマンドを選んでブルーノに指示を出す。
他のRPGゲームの例に漏れず、このワンデザ内にも「お金」の概念は存在している。
ここでのそれは、そのものずばり「マネー」と呼ばれている。
体力ゲージを回復する「回復薬」が80マネー。
初心者を卒業した剣士や騎士が装備する一般的な防具のひとつ、「鉄の盾」が200マネー。
マネーがなければ、新しい武器も、クエスト攻略に欠かせないサポートアイテムも買うことができない。
期間限定の受注クエストでは、ものによっては参加料が必要なときもある。
「操作」という意味でのゲームテクニックの有無や善し悪しとは全く別次元の匙加減でキャラクターの強さが決まってくる――と言っても過言ではない。
この意味、分かる人には分かるだろう。痛いほど。
そう、早い話、強くなりたければ、マネーを「つくる」こと。
そしてその最も単純かつ迅速な手段は、現実の「マネー」から「マネー」を錬金すること。
とどのつまり――、課金だ。
この手のゲームは結局のところ、プレーヤーのリアル世界の財政次第で全てが決まる。
それが俺の見解だった。
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