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気づくと田んぼだらけが広がる田んぼのど真ん中に私はいた。タイムマシンから降りると、さっそく目的地に向かって走り出す。
なんで宇宙が自分を消そうとしているのかはわからないけど、昔、猫を生き返らせたいと言っていた。だったら猫を確実に救える過去に変えるはず。絶対に救えるときーーそれは。
何度かお邪魔した宇宙の家に着くと、まだ小学生くらいの男の子と猫が庭で戯れていた。
塀に隠れて覗き見する。宇宙だ。宇宙の小さいときだ。あぁ、可愛すぎる顔ちっさいし、変わらず色白で声も高い。
「じゃねえって」
頬を軽く叩いてハートになった目を戻している間に、猫とチビ宇宙が家の中に戻っていく。よし、今のうちに。
トントンと肩を叩かれた。ん? 誰だ?
「……ごめん、追っかけてきたの?」
「お前か! じゃねぇし、そ、そそそそ宇宙会いたかった! じゃなくて、世界が大変なことになってるんだよ!」
会いたかった。もっと見てたい話したい気持ちを抑えて本題に入る。時間ないからさ、マジで。
「もしかして他の人にも影響が? まあ、君が僕を忘れずここに来た時点で時間が歪んでいるよね」
は、はい? なんやって?
「わからないよね。ごめん。僕は30歳の僕なんだ。ちとせ、君はたぶん僕と付き合い始めたときの君だから23歳くらい。君が電話したとき、なぜか30歳の僕とつながったんだ」
たしかに、言われてみればそこはかとなく大人っぽさがまして髭もはえていい感じのイケメンになっている。いや、え、あの、付き合ってって言った?
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