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○元の閻魔王庁・最獄裁判所
大洞、うなだれている。
大洞「……俺はいつの間にか、政治家を志した時の思いを忘れてた。嘘もいっぱいつい
た……」
閻魔「認めるのか。では、地獄に行って、修業し直してこい」
大洞「えっ、えっ、地獄ですか」
閻魔「怖がることはない。地獄というのは、次に生まれ変わった時に同じ失敗を繰り返さ
ないように心身を鍛える道場のようなもんだ。鬼コーチが指導してくれる」
大洞「鬼コーチ。まんまですか」
閻魔「地獄に行く前に、嘘をつき慣れてしまった舌を抜いといてやろう」
大洞「げっ」
閻魔「舌を抜くというのは、汚辱にまみれた舌をいったんその身から切り離すということ
じゃ。新しく清浄な舌が生えるまで、地獄で修行してこい」
大洞「いやいや、私、もう生まれ変わっても政治家になる気は無いんで。だからこの舌のま
までいいんで」
閻魔「ゴチャゴチャうるさいっ」
閻魔、笏を取り直し、居住まいを正して
閻魔「(威厳をもって)判決!」
赤鬼と青鬼、起立する。
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