第1話「政治家・大洞佑太」

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○元の閻魔王庁・最獄裁判所    大洞、うなだれている。 大洞「……俺はいつの間にか、政治家を志した時の思いを忘れてた。嘘もいっぱいつい  た……」 閻魔「認めるのか。では、地獄に行って、修業し直してこい」 大洞「えっ、えっ、地獄ですか」 閻魔「怖がることはない。地獄というのは、次に生まれ変わった時に同じ失敗を繰り返さ  ないように心身を鍛える道場のようなもんだ。鬼コーチが指導してくれる」 大洞「鬼コーチ。まんまですか」 閻魔「地獄に行く前に、嘘をつき慣れてしまった舌を抜いといてやろう」 大洞「げっ」 閻魔「舌を抜くというのは、汚辱にまみれた舌をいったんその身から切り離すということ  じゃ。新しく清浄な舌が生えるまで、地獄で修行してこい」 大洞「いやいや、私、もう生まれ変わっても政治家になる気は無いんで。だからこの舌のま  までいいんで」 閻魔「ゴチャゴチャうるさいっ」    閻魔、笏を取り直し、居住まいを正して 閻魔「(威厳をもって)判決!」    赤鬼と青鬼、起立する。
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